2019年12月18日のニュースより

英語の民間試験に続き、国語と数学の記述式問題の導入も見送られた、再来年(2021年)1月の大学入学共通テスト。大学入試改革の2つの柱(上記内容)が実施されないことになりました。

理由としては、

記述式問題の採点が平等にできるのか?
企業などに採点を任せて、多くの人で採点すると、その基準がさらに曖昧になるのではないか?

という懸念があるためです。


では、今後このテストはどうなるのでしょうか?
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● 共通テストはどうなるの?


文部科学省によると、大学入学共通テストの英語・国語・数学は以下のような対応が検討されています。

① 英語の民間試験について令和6年度の実施に向けて検討

② 国語と数学の記述式問題について萩生田大臣が期限を区切った延期ではなく、全くまっさらな状態から対応していきたいと言っています。





● 2021年1月の共通テストの配点



① 英語について

民間試験(英検やTOEIC)はなく、現在のセンター試験から、配点が変更されます。

  現在:マークシート200点、リスニング50点
2021年〜:マークシート100点、リスニング100点

それに伴って、発音・アクセントと並び替えはなくなります。
「読む、聞く、話す、書く」が評価のポイントであることは変化がないようです。



② 国語・数学について

記述式問題はなく、白紙に戻して検討。今のところ、「思考力・判断力・表現力」が評価のポイントとして挙げていますが、今後1年をめどに、結論を出すとのことです。





● 学生たちの想い


現在の高校2年生は、当然ながら民間試験の導入や記述式問題に向けて対策を行なってきたと思います。それを、準備不足だからと白紙に戻すなんて「受験生を置き去りにしている!」という意見がほとんどでしょうね。

ただ「ほぼ例年通り」という安心感もあることは確かでしょう。

学生のみなさんも社会に出れば理解できるようになるかもしれませんが、環境を変えるということは、逆風だらけの中を進むことと同じことです。基本的に、人間は変化を怖がったり嫌がる生き物なので、新しいことをやろうとしてミスすると、「ほらみろ」と言わんばかりに責められます。

それでも変えていこう、日本の教育を良くしよう!という10年に1度の大きな改革です。

今までのセンター試験や教育制度では、グローバル社会で勝ち残れないと判断されているのです。だからこそ英語やプログラミング、記述力などで「日本人の底上げ」をしなければなりません。
さらに、予測不能な出来事(災害や為替変動)が起こった時に力を発揮できる人になって欲しいという思いも込められています。

そういった背景を理解し、学生の皆さんも勉学に励んで下さい。





● そもそも論


勘違いしてしまう方もいると思いますが、この件は文部科学大臣の萩生田さんが悪いんじゃないですよ。最近大臣になったばかりですから。
ずっと前から決定されていた事をやらずに見過ごしていた事が悪かったんです。


そもそも、
記述式問題を採点したことがある方ならわかると思うのですが、採点する方はかなり大変です。

私は過去に大手塾の塾長をしていて、毎年100名の中3生を抱えていましたので、毎週100人分の数学・理科の記述式問題の採点をしていました。

記述問題があると、どう頑張っても1人あたり採点に10分はかかります。
1枚の採点に10分かかるということは、


10分×100人×2科目=2000分


33時間ですよ!!


12月から毎週毎週、それをやり続けるわけですから、そりゃ採点ミスもしますよ。
自分1人でも、採点基準が曖昧になってしまいます。「え?さっきは何点加点したっけ?」みたいな事はよくあります。


それを知っているからこそ、共通テストに記述式問題を導入すると知った時、これは大もめするだろうな…と予測できました。

共通テストに記述式問題を取り入れて、完璧に採点する事なんて、ほぼ不可能ではないでしょうか。
それをやってのけると言うのですから…。今後、萩生田大臣がどのような結論を出すのか、注目です。